この記事の目的は、スーパーのお惣菜がどのように作られているかという「裏側」を知ってもらうと同時に、手作りの良さを再認識してもらうことでした。
しかし、「そうは言っても、スーパーのお惣菜は欠かせない」「そう言うなら、どう選べばいいのか教えてほしい」という声も少なくありません。
そこで、今回と次回は、私なりの「スーパーのお惣菜の選び方」を紹介したいと思います。おすすめできないもの」と「失敗しない選び方」です。
今回は、「私が面倒くさいと思っておすすめしないNGお惣菜」についてです。
まず、私がスーパーのお惣菜で「面倒くさい」と思うのは、「海老天」「かき揚げ」「野菜天」などの「天ぷら」です。
天ぷらは180℃の油で揚げるため、衣がサクサクになり、衣の中の小麦粉が焦げて「香ばしい」味になる。また、揚げることで素材の水分が抜け、旨味が引き出される。
これは、揚げたての素材ならではの芸当です。
揚げてから時間が経つと、食材の水分が抜け、衣がベタベタしてサクサク感がなくなり、「油っぽい」状態になる。
業界ではこれをベタベタと呼んでいます。
時間が経つと、衣が水っぽくなり、ベタベタしてくる。
もう一つの例は、焼き鳥である。
スーパーで売られている焼き鳥は、ほとんどが硬く、タレも “不自然な粘り気 “がある。これは、ほとんどが冷凍で購入されているためです。
仕入れた商品はどこで作られているのか?
海外の工場で肉を切り、串に刺し、焼いた後、「冷凍」されて日本に持ち帰られます。そして、日本で「解凍」し、タレをつけて焼く。
私は、この「冷凍パック焼き鳥」は水っぽく、「焼き鳥本来の味」に欠けると思っています。
なぜ水っぽいかというと、パックで冷凍した場合、パックの天井に水滴がついていることが多く、それが解凍されると垂れてくるからです。また、解凍すると鶏肉から水が出てきます。
鶏肉から出た水分が容器の中の水分と混ざり合い、水っぽくなり、風味が損なわれてしまうのです。
昔は手作りの惣菜が多かったのですが、特に大型スーパーでは効率化を図るため、出来合いの材料で作ったような惣菜が多くなり、味に魅力がなくなってきました。
しかし、地元のスーパーには、まだまだ手作りの惣菜があるようです。
消費者が多少高くても良いものを買う習慣がつけば、このような効率重視のニセモノ食品は減っていくのではないでしょうか。
安いからと飛びつくのではなく、良いものを作って高く売ることができれば、消費者はもっと幸せになれると思うのです。
近所の手づくりパン屋さんは、値段が高いので潰れてしまいました。
効率重視の社会は一見便利そうですが、悲しい未来が待っているような気がします。